JavaScriptにおける配列の基本操作説明 (配列の宣言、生成、基本的な要素操作)

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本記事はJavaScriptでの配列( Array )の基本的な取り扱い方法についてサンプルコード付きで説明をしたものです。各サンプルについてリファレンスを参照しながら解説も添えているため、JavaScriptに不慣れな方にも理解できるようになっています。

サンプル#

配列に関連するコードのサンプルを記載します。各操作の解説は次のセクションに記述してあります。

各サンプルコードの // =>console.log() の出力結果を示しています。

配列の生成#

初期化時の代入#

let array1 = [1, 2, 3];
console.log(array1);
// => [ 1, 2, 3 ]

/* コンストラクタの呼び出しによる方法 */
let array2 = new Array(1, 'a', new Date());
console.log(array2);
// => [ 1, 'a', 2022-09-19T01:50:33.019Z ]

let array3 = [array1, array2];
console.log(array3);
// => [ [ 1, 2, 3 ], [ 1, 'a', 2022-09-19T01:50:33.019Z ] ]

結合による生成#

let concArray = array1.concat(array2, array3);
console.log(concArray);
// [
//      1, 2, 3, 1, 'a', 2022-09-19T01:50:33.019Z,
//      [ 1, 2, 3 ], [ 1, 'a', 2022-09-19T01:50:33.019Z ]
// ]

切り出しによる生成#

let subArray = array1.slice(1, 3);
console.log(subArray);
// => [ 2, 3 ]

文字列からの生成#

let myString = "This is a test code";
let arrayFromString = myString.split(' ');
console.log(arrayFromString);
// => ['This', 'is', 'a', 'test', 'code']

/* おまけ: 逆に文字列へ変換 */
let toString = arrayFromString.join(' ');
console.log(toString);
// => "This is a test code"

配列の要素へのアクセス#

読み出し#

let array4 = [3, 4, 5];
console.log(array4[0]);
// => 3
console.log(array4[1]);
// => 4
console.log(array4[2]);
// => 5
console.log(array4[3]);
// => undefined

console.log(array4.at(0));
// => 3
console.log(array4.at(-1));
// => 5

/* 配列の長さを取得 */
console.log(array4.length)
// => 3

/* for による読み出し */
for (var i = 0; i < array4.length; i++) {
    console.log(array4[i]);
}
// => array4 の中身が順次出力される

/* forEach による読み出し */
array4.forEach((elem) => {
    console.log(elem);
})
// => array4 の中身が順次出力される (同上)

書き込み(追加)#

let array5 = [1, 2, 3];

array5[3] = 4;
console.log(array5);
// => [ 1, 2, 3, 4 ]

/* 末尾に追加 */
array5.push(5)
console.log(array5);
// => [ 1, 2, 3, 4, 5 ]

/* 複数の要素を一度に書き込むことも可能 */
array5.push(6, 7, 8)
console.log(array5);
// => [ 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 ]

/* 先頭に追加 */
array5.unshift(-1, 0)
console.log(array5);
// => [ -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 ]

書き変え(上書き)#

let array6 = [1, 2, 3, 'a'];

array6[0] = 'string';
console.log(array6);
// => [ 'string', 2, 3, 'a' ]

読み出しと同時に削除#

let array7 = [1, 2, 3, 4, 5];

/* 末尾を取得して削除 */
let tail = array7.pop();
console.log(tail);
// => 5
console.log(array7);
// => [ 1, 2, 3, 4 ]

/* 先頭を取得して削除 */
let head = array7.shift();
console.log(head);
// => 1
console.log(array7);
// => [ 2, 3, 4 ]

説明#

配列はJavaScriptでは Array というオブジェクトとして生成・保持されます。 これ以降で Array という単語が出てくる場合がありますが、単に配列の別名だと思っていただいてよいです。

また配列の「要素」とは配列に含まれている個々のデータのことを指します。

配列の生成#

初期化時の代入#

配列の作成と初期値の代入を以下の2種類の方式でサンプルに例示しています。

  • [] を利用した方法

  • Array コンストラクタを利用する方法

上記2種の操作は見た目が少し異なりますが与えるパラメータは同じです。

配列にはどのようなデータも含めることができる ため、数値や文字列といったJavaScriptが本来持っているデータ型[1] はもちろん、自作のデータタイプも含めることができます。

上記の例では数値や文字列に加えて Date という日付時刻を取り扱うためのデータ型や、配列を含んだ配列の例を示しています。配列に配列を含めた場合には 2次元配列 などの多次元配列と呼ばれる状態となり、アクセスのための添え字が複数必要になります。

また本ページでは例示していないですが、 Array.from() を呼び出して配列を生成することもできます。こちらは配列のようなオブジェクト、あるいは反復可能なオブジェクト[2] を配列に変換する際に用いられるものです。

結合による生成#

配列を結合する場合には concat() を利用します。

こちらは配列の宣言時に配列を与えたものと若干似ていますが、多次元配列の状態にならず中身だけをつなげた配列を新たに生成してくれる点で異なります。

let arrayA = [1, 2, 3];
let arrayB = [4, 5, 6];
let assignedArray = [arrayA, arrayB];
let concatedArray = arrayA.concat(arrayB);
console.log(assignedArray);
// => [ [1, 2, 3], [4, 5, 6] ]
console.log(concatedArray);
// => [1, 2, 3, 4, 5, 6]

切り出しによる生成#

すでに存在している配列をもとに新たな配列を作成したい場合には slice() 関数を利用した方法で配列を作成することがあります。 既存の配列の一部を切り出したいときや単純に配列のコピーを作成したいときに利用 されます。

slice() の引数にはもととなる配列のどこからどこまでを切り出すかを指定することができますが、指定を省略した場合には配列のコピーを作成する動作となります。

また指定する範囲ですが、始点は含まれ終点は含まれない (数学記号で言うと [始点, 終点) ) 形で指定します。

let toBeSliced = [1, 2, 3, 4];

/* 開始位置のみを指定 */
let sliceA = toBeSliced.slice(1);
/* 開始位置と終了位置を指定 */
let sliceB = toBeSliced.slice(1, 3);
/* 指定なし = コピー */
let sliceC = toBeSliced.slice();

console.log(sliceA);
// => [2, 3, 4]
console.log(sliceB);
// => [2, 3]
console.log(sliceC);
// => [1, 2, 3, 4]

文字列からの生成#

配列を文字列から作成することができます。この場合には String に備わっている split() を利用します。

split() は引数として区切り文字を受け取り、その 区切り文字の個所でデータを区切って配列を生成してくれます 。ちょうど逆の操作を join() により行うことができます。

let myString = "This is a test code";
let arrayFromString = myString.split(' ');
console.log(arrayFromString);
// => ['This', 'is', 'a', 'test', 'code']

/* おまけ: 逆に文字列へ変換 */
let toString = arrayFromString.join(' ');
console.log(toString);

配列の要素へのアクセス#

読み出し#

配列に格納されている値を読み出す方法として以下が挙げられます。

  • 添え字 (index) によるアクセス

  • at() によるアクセス

添え字によるアクセス#

添え字によるアクセスはおそらく最もよく使われる方法で、JavaScript以外の言語でもよく用いられる形です。鍵かっこ [] の中に 添え字 (index) を入れることで、配列の指定の番号の要素にアクセスすることができます。 添え字は 0 から始まることに注意してください

また、指定しない index を指定した場合には undefined が返却されます。

let arraIndexTest = [3, 4, 5];
console.log(arraIndexTest[0]);
// => 3
console.log(arraIndexTest[1]);
// => 4
console.log(arraIndexTest[2]);
// => 5
console.log(arraIndexTest[3]);
// => undefined
at() によるアクセス#

at() 関数は Array に備わっている関数で、 基本的な利用方法は前述の index によるものと同じ です。ただし、 マイナスを指定することができる点が異なります

at() にマイナスを指定した場合、配列のお尻からアクセスができるような形になります。

let atTest = [3, 4, 5];
console.log(atTest.at(0));
// => 3
console.log(atTest.at(-1));
// => 5
console.log(atTest.at(-3));
// => 3
forEach() による読み出し#

forEach() 関数は Array に備わっている関数で、 配列内のすべての要素に対する処理を記述することができます 。本ページの例では単に要素をログとして出力しているのみですが、より高度な処理を記述することができます。

ちなみに、 forEach() の引数に渡しているものは アロー関数式 と呼ばれるものです。

let array4Each = [3, 4, 5];
array4Each.forEach((elem) => {
    console.log(elem);
})
// => array4Each の中身が順次出力される (同上)

関連記事

書き込み(追加)#

JavaScriptでは配列を一度作成した後にも要素を追加していくことができます。要素の追加には主に以下の関数が利用されます。

  • indexによる直接指定

  • push() 関数

  • unshift() 関数

indexによる方法#

配列の特定の要素にアクセスした際と同じように、 index を利用してデータを代入することができます。

ただし この方法は利用者側が明示的に適切な index を指定する必要があるため利用は避けた方が無難 かもしれません。代わりに後述の push()unshift() のご利用をお勧めします。

let addArrayByIndex1 = [1, 2, 3];

addArrayByIndex1[3] = 4;
console.log(addArrayByIndex1);
// => [ 1, 2, 3, 4 ]

indexを 配列の長さ + 1 よりも大きな値にしてこの操作を行うと、飛ばされた index の個所は empty という特別な値が格納された形になります。

let addArrayByIndex2 = [1, 2, 3];

addArrayByIndex2[4] = 4;
console.log(addArrayByIndex2);
// => [ 1, 2, 3, empty, 4 ]
push() による方法#

push() は対象の 配列の末尾にデータを追加するための関数です 。複数の値を指定することで一度に複数のデータを配列に追加することもできます。

let addArrayByPush = [1, 2, 3, 4];
/* 末尾に追加 */
addArrayByPush.push(5)
console.log(addArrayByPush);
// => [ 1, 2, 3, 4, 5 ]

/* 複数の要素を一度に書き込むことも可能 */
addArrayByPush.push(6, 7, 8)
console.log(addArrayByPush);
// => [ 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 ]
unshift() による方法#

unshift()push() とは逆に対象の 配列の先頭にデータを追加するための関数です 。基本的に使い方は push() と同じで、こちらも複数の値を指定することで一度に複数のデータを配列に追加することもできます。

let addArrayByUnshift = [1, 2, 3, 4];
/* 先頭に追加 */
addArrayByUnshift.unshift(-1, 0)
console.log(addArrayByUnshift);
// => [ -1, 0, 1, 2, 3, 4 ]

書き変え(上書き)#

配列のデータを書き換えるためには、書き換える対象要素の index の値を利用します。ちょうど index で値を追加する操作と同様の方法で上書を行うことができます。

let array6 = [1, 2, 3, 'a'];

array6[0] = 'string';
console.log(array6);
// => [ 'string', 2, 3, 'a' ]

読み出しと同時に削除#

配列からの要素の削除には以下の方法があります。

  • pop() を利用する

  • shift() を利用する

pop() を利用する方法#

pop() は 対象の 配列の末尾から要素を読みだして削除するための関数です 。配列に何も入っていない場合には undefined が返却されます。

let arrayToBePopped = [1, 2, 3, 4, 5];

/* 末尾を取得して削除 */
let poppedTail = arrayToBePopped.pop();
console.log(poppedTail);
// => 5
console.log(poppedTail);
// => [ 1, 2, 3, 4 ]
shift() を利用する方法#

shift()pop() とは逆に対象の 配列の先頭にデータを追加するための関数です 。使い方は pop() と同じです。

let arrayToBeShifted = [1, 2, 3, 4, 5];
/* 先頭を取得して削除 */
let shiftedHead = arrayToBeShifted.shift();
console.log(shiftedHead);
// => 1
console.log(arrayToBeShifted);
// => [ 2, 3, 4, 5 ]
JavaScript